和田阪神と岡田オリックスが来年3月3日、安芸でのオープン戦開催に向け調整していることが10日、分かった。阪神は来春から高知・安芸での1軍キャンプを撤退し、沖縄・宜野座に1本化する。だが長年キャンプを張ってきた地元の要望も受け、球団はオープン戦開催を前向きに検討。ともに安芸から育った阪神和田豊監督(49)とオリックス岡田彰布監督(53)の新旧虎将が、恩返しのぶつかり合いを演じる。

 来春の安芸に再び活気がよみがえる。3月3日。阪神がオリックスと主催オープン戦を計画していることが分かった。岡田VS和田の新旧虎将対決。一層注目を集めるオープン戦初対戦の舞台は、思い出の安芸だ。

 阪神は来春から安芸との分離方式を見直し、1軍キャンプを宜野座に1本化。2軍は例年通り安芸で行うが、65年から47年間キャンプを張ってきた縁も深く、地元のショックも大きい。そこでファンの意もくんだ高知県や安芸市など地元自治体が「せめてオープン戦を開催してほしい」と熱望。球団も実現へ前向きに検討し、毎年キャンプ終盤にオープン戦を行っているオリックスへ協力要請に入った。

 和田VS岡田。2人は85年のV戦士で、ともに全盛時は二塁のレギュラーとして一時代を築いた。その原点も同じ安芸だ。新人岡田は80年、ブレーザー監督のもと、助っ人ヒルトンに定位置を奪われてプロ人生が始まった。その5年後の85年、新人和田は岡田をはじめ真弓、掛布、バースらの強力打線にかなわないと痛感したのが安芸だった。そこから2人が、泥と汗にまみれてスターへと駆け上がる鍛錬の場となったのもこの安芸。ともに日本一の美酒も味わい“御礼”の意も含まれたオープン戦となる。

 真弓VS岡田の新旧虎将対決も注目を集めたが、今回はより互いを知り尽くした注目カードになる。選手同士の関係で9年間、その後選手と指導者の関係で4年間、さらには監督とコーチなど指導者同士で7年間。合計20年間、同じタテジマを着て同じ夢を追った。互いの考え方や作戦、起用は手に取るように分かるはず。そしてオープン戦とはいえ、互いに負けられない意地も正面からぶつかり合うはずだ。

 3月4日には高知市内で、今度はオリックスの主催でもう1試合組むことも計画されている。正式決定は12月だが、この2連戦は関西から大勢のファンも押し寄せるはず。3月の高知が例年になく熱くなりそうだ。