<日本シリーズ:ソフトバンク3-0中日>◇第7戦◇20日◇福岡ヤフードーム

 最終戦はソフトバンクが完勝し、4勝3敗で2003年以来5度目の日本一に輝いた。

 主将小久保裕紀内野手(40)が万感の日本一だ。最終戦は打てなかったが、連敗して迎えた第3戦から4番に座って2試合連続V打をは放った。流れを変えての頂点、そして40歳でのMVP。秋山監督が99年ダイエーで記録した37歳の日本シリーズ史上最年長MVP記録を塗り替えた。

 小久保

 代表して僕がいただいた。2度と忘れることのできない2011年になりました。(記録を更新して)すいません、監督。僕も40歳。そんなに長くないんで、最高の思い出。

 開幕戦で右手親指を骨折した。1年を通して首痛に苦しんだ。「眠れんのや。眠りが浅いとかじゃない。ずっと目が覚めたまま」。夏場には人生初めて不眠に陥った。それも、シーズン終盤から少しずつ解消され、頂上決戦を前に不思議と治まった。すべてが、この日本シリーズに合わされていたように。

 既に来年へ動き始めている。アジアシリーズは欠場し、12月上旬には首痛を治すため、国内で内視鏡手術を受ける。通算2000安打の大記録には残り38安打。快挙とともに狙うのはもちろん、連続の日本一。大仕事を果たした主将は再び戦場に帰ってくる。【松井周治】