ソフトバンク帆足誕生が内定した。西武からFA宣言した帆足和幸投手(32)が8日、都内のホテルでソフトバンク球団と初交渉を行った。4年契約で最大総額10億円近い成果報酬型の契約形態を提示。背番号の話し合いも開始するなど入団秒読みとなった。帆足は早ければ今週中に西武に退団を報告し、12日にもソフトバンクのラブコールを正式に受託する方向だ。

 わずか30分の初交渉で新背番号の話題にまでおよんだことが、ソフトバンク帆足の誕生目前を示していた。緊張した面持ちで会見場に現れた帆足がホークス球団の獲得熱意に感謝の言葉を並べた。

 帆足

 ぜひソフトバンクに来てくれ、と誠意をいただきうれしく思います。野球以外、人間的にも評価していると言っていただいた。成果報酬型で初めてなので、まだピンときていない。やりがいのあるシステム。ただ、自分の中で一番に置いているのは、必要としている球団かというところ。熱意は伝わりました。

 初交渉でソフトバンクは4年契約の最大総額10億円近い成果報酬型システムを提示した。最少総額は4億円前後とみられる。今オフに内川が出来高9000万円をゲットしたように、活躍した分の報酬を翌年ではなくオフに上乗せされる契約形態。帆足にとっても、条件にまつわる話は交渉後にじっくり考えればいいことだった。交渉は一気に入団後の背番号や、どういうポジションを期待されているか、というテーマに移ったようだ。

 ソフトバンク小林至取締役編成育成部長(43)は「若い投手に、技術、心構え、あるべき姿を伝えてほしい」と語った。帆足は九州三菱自動車時代、福岡市内で過ごした。午前中に練習を行い、午後は営業に汗を流した。苦労を知る男は西武で選手会長を務めるなど人望も厚い。「彼の地に足つけた姿が目に浮かぶ。福岡に戻ってきてくれることになればうれしい」と小林至取締役。ホークスでは和田が抜け、杉内も退団濃厚。若き投手陣を引っ張る立場を、西武で育ったサウスポーに期待している。

 新背番号は和田の21、杉内の47をのぞいて候補が4つ出たという。帆足の要望も交渉内でくみ取られた。新たな船出への準備は、すべて整えられたようだ。

 帆足

 (他球団との交渉は)考えていない。今年中には結論出したい。

 今日9日に西武球団納会ゴルフなどイベントを残しており、即ソフトバンク入りの決断を避けた。早ければ今週中にホークスへの移籍を報告するとみられる。12日にもソフトバンク帆足は誕生する。新入団会見は、生まれ育った福岡で行う可能性もある。【松井周治】

 ◆帆足和幸(ほあし・かずゆき)1979年(昭54)7月15日、福岡出身。32歳。三井高から九州三菱自動車を経て、00年ドラフト3位で西武入団。1年目の01年にプロ初勝利を挙げるなど早くから活躍。04、05、08、10年と4シーズン2ケタ勝利をマークしている。プロ通算231試合登板で75勝。今季から西武の選手会長に就任していた。180センチ、77キロ。左投げ左打ち。