ヤクルト小川淳司監督(54)が、野手転向3年目の雄平外野手(27)をワンポイントリリーフとして起用する仰天プランを披露した。2日、今日3日からの日本ハム戦に向けて札幌ドームで全体練習を行った。02年ドラフト1巡目の雄平は東北高(宮城)時代に最速151キロをマークし、ダルビッシュからも目標にされた投手だった。現在は「ポスト青木」候補として、上田らと激しい外野のレギュラー争いに挑んでいる。

 小川監督は、以前から雄平の身体能力の高さは評価していた。今キャンプではスローイング技術が向上したことに着目。「今までは思い切り投げるだけだったが、加減ができるようになってきた。ライトからリリーフというのもあってもいいかもしれない」とニヤリと笑った。もちろん期待を込めたリップサービスが含まれているが、チームには中継ぎ左腕が不足する現状がある。かつて阪神元監督の野村克也氏が、左腕の遠山を右打者の際に一塁で起用し、再びマウンドに上げる奇策を打った。

 雄平は2月22日の韓国・ハンファ戦で初本塁打を放つなど、持ち前のパンチ力に磨きをかけてきた。昨季の本塁打王バレンティンが右ひじ痛で離脱し、チャンスは広がる。「前にも冗談で言われたことはあります。まずは打つ方で出られるようにしないといけない。その上で監督が言うのならです」と苦笑いするが、結果を出し続ければ、「奇策」が現実になる日が来るかもしれない。【前田祐輔】

 ◆雄平(ゆうへい)

 本名・高井雄平。1984年(昭59)6月25日、神奈川県生まれ。東北高2年春にセンバツ出場(初戦敗退)。3年夏の宮城県大会で151キロを出し、02年ドラフト1巡目でヤクルト入団。1年目に5勝を挙げたが通算18勝19敗と伸び悩み、10年から外野手転向。登録名を雄平に改名した昨季はイースタン・リーグ96試合で打率3割3分(リーグ2位)、5本塁打、31打点。175センチ、82キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1350万円。家族は夫人と1女。