<オープン戦:楽天3-4DeNA>◇4日◇長崎

 チーム4安打でも、中畑DeNAは地道に点を取ろうと食い下がった。敵失などで逆転し、2点リードとした4回1死一、三塁でベンチが仕掛けた。打席の黒羽根がスクイズの構えからわざと見送り、三塁走者は突っ込まずに一塁から小池がスタート。捕手嶋は二塁へ投げられず、狙い通りに二、三塁となって「偽装スクイズ」が決まった。黒羽根の遊ゴロで1点追加。一、三塁なら併殺の可能性もあった。中畑清監督(58)は「役者がそろってきた。多ければいろんな演技ができる」としてやったりだった。

 追加点が効き、追い上げられながらも1点差で逃げ切った。打てなければ小技を試し、走者を進めるすべを磨きながら結果を出している。黒羽根は偽装スクイズに「外のボール球で、たぶん嶋さんは外しに来たと思う。でもやりきった。そういうチームプレーをやっていかないといけない立場」と必死の構え。高木ヘッドコーチも「打撃が低調なので、その中でどうやって点を取るかが課題。かく乱させていかないと」と作戦面の引き出しを増やすべく日々知恵を絞っている。

 中畑監督にとっては就任以来負けなしのオープン戦3連勝。昨年の勝ち星(2勝)を早くも上回った。ただ「タナボタ」感もあるだけに「こんなに勝っちゃっていいのかな。結果が良すぎるね。3連敗したぐらいの気持ちでやらないと」と気を引き締めている。

 今日5日のソフトバンク戦に向けては「もうぼちぼち負けないといけない。明日ぐらい負けるでしょう」と「負けろ」の珍指令まで飛び出した。投打にヒーローが大活躍しての快勝が理想だが、開幕までは苦境や試練も大歓迎の姿勢でいる。【大塚仁】

 ▼DeNAのオープン戦3連勝は09年以来3年ぶりで、開幕3連勝は05年以来(2引き分け挟む)7年ぶり。引き分けなしでの開幕3連勝は02年以来10年ぶりのこと。開幕4連勝となれば、引き分けでスタートした97年以来のことになる。なお、オープン戦を1位で終了したのはこの97年が最後で、公式戦は2位だった。