<オープン戦:DeNA1-3ロッテ>◇14日◇横浜

 ロッテのルーキーは藤岡だけじゃない!

 ドラフト4位、益田直也投手(22=関西国際大)がDeNA戦で6回から登板。先頭の金城に右前打を浴びるなど1死二塁のピンチを迎えた。だが動じない。黒羽根を143キロの内角低め直球で見逃し三振。続く啓二朗をシンカーで左飛に打ち取り、堂々と切り抜けた。これで対外試合では5戦連続無失点。「少しずつ自信になってきている」と話したように、右腕に残る感触もいい。

 投手歴はわずか4年しかない。市和歌山商までは遊撃手の補欠だった。高校卒業時は体重58キロ、直球は最速123キロ。だが大学で開花した。先輩で10年パ・リーグ新人王の日本ハム榊原を超えるランニング好き。2年生のころには体重も10キロ以上増え、147キロをマークする注目の投手にのし上がった。

 スポンジのように吸収する。キャンプで西本投手コーチからシュートを学び、対左打者への有効球に仕上がった。応用力もある。「右足に体重を乗せたい」と編み出したトルネード気味の投法も、状態が悪いと判断した7日の日本ハム戦では走者がいなくてもクイック投法で改善を図った。

 藤岡は先発ローテ当確だが、益田も開幕1軍は有力。「先頭打者を出したり、見ている方はヒヤヒヤだと思う」。絶対的な信頼を勝ち取るまで満足しない。【広重竜太郎】