<オープン戦:ヤクルト5-4西武>◇24日◇神宮

 西武ドラフト1位ルーキーの十亀剣投手(24=JR東日本)が、ほぼ当確だった開幕ローテーションの座から直前になって滑り落ちた。ヤクルト戦に先発したが、3回4安打5失点で降板。4回8安打6失点だった18日の阪神戦に続く乱調に、渡辺監督は「今は最悪の状態。ルーキーだし状態のいいときに投げさせてやりたい。他に状態のいい投手はいるし、そこは競争だから。立て直す」とローテの入れ替えを明言した。

 持ち味のテンポの良さがすっかり影を潜めていた。前回の阪神戦では次々に第1ストライクを狙われて連打されたが、この日は逆にボール先行でカウントを悪くし、走者をためて痛打を浴びた。十亀は「真っすぐを狙い打ちされた感じ。緩急がつくれていなかった」と声を落とす。前回を意識しすぎたのか、3失点した2回は打者7人中5人が3ボールまでいく自滅気味の内容だった。

 開幕第2戦の31日にデビューするプランは直前で白紙となった。先発は涌井、岸、西口、牧田の4人に加え、ブルペン待機が有力だった石井が代わりにローテ入りするとみられる。十亀の今後について杉本投手コーチは「まだ分からないが、いろんな選択肢があると思う」と話し、開幕2軍の可能性も出てきた。キャンプからアピールを続けてきた右腕がここにきて試練にぶつかった。【大塚仁】