<西武0-4ソフトバンク>◇21日◇西武ドーム

 勢いに乗る西武が、チームリーダー不在のピンチに陥った。主将兼選手会長の栗山巧外野手(28)が、左尺骨骨折でレギュラーシーズン中の復帰が絶望になった。1点を追う8回1死三塁、4球目の直球が左前腕を直撃。ベンチに退いた後、代走が起用された。現時点で全治は不明だが、レギュラーシーズンでの復帰について、渡辺監督は「無理だろうね」と話した。CSでの復帰の可能性はあるが、長期離脱は必至な状況。10年3月20日から始まったリーグ歴代2位の390試合連続フルイニング出場も途切れた。

 成績が上昇する中、度重なる悪夢がチームを襲う。中島は腰痛で2試合スタメンから外れ、8回1死一、三塁の好機に代打で復帰したばかり。今日22日の出場は状態次第で、主砲の中村も、左膝痛を抱えながら出場を続ける。そんな状況下で、精神的支柱であるとともに、高い出塁率を誇るトップバッターが離脱。1番候補の片岡も右手首捻挫で2軍調整中で、戦力ダウンは否めない状況だ。

 今季初の7連勝を狙ったが、3位のソフトバンクに完敗。摂津に7回まで抑え込まれ、最後まで打線が岸を援護できなかった。連勝も6でストップし、2位に転落。所沢市内の病院での検査後、球場に戻った栗山は「チームがいい状態で離れるのは、悔しい思いが強いが、CS、日本シリーズに連れて行って欲しい」と思いを託した。【久保賢吾】

 ◆尺骨

 ひじから手首まである2本の前腕骨のうち、小指側にある長い管状の骨。中指、薬指、小指の知覚をつかさどる。