<ヤクルト6-3阪神>◇28日◇神宮

 強烈な破裂音とともに、ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(28)の打球が右翼席に突き刺さった。終盤の8回、ヤクルトのCSへのマジックを1とする30号決勝2ラン。その瞬間、一塁側ベンチからナインが飛び出し、拳を突き上げた。

 前夜の大敗では、見逃し三振を繰り返し、いいところがなかった。試合後、小川監督から「主軸としての自覚を持つように」と、もっとバットを振るように諭された。フライドチキンにむしゃぶりつき、コーラで胃に流し込みながら聞いた。この日の練習中にも念を押されるようにアドバイスがあり、積極的に振っていこうと気持ちが変わった。

 バレンティン

 監督のアドバイスは正しいと思う。全面的に納得して、素直に受け入れられた。ゲームで試そうと思っていた。

 この日はボールを見極めるのではなく、打てる可能性のあるボールをどんどん振っていった。それが最後の1発につながった。

 この日は負傷離脱していた相川と畠山もスタメンに復帰し、戦力が整ってきた。CS進出を決めるまであと1勝。「僕のバットで決めたい。つらいシーズンだったが、勝てば3位という最低限の結果は得られる」とバレンティン。その先の道を開くため今日、決めに行く。【竹内智信】

 ▼バレンティンが両リーグのトップで30号に到達。ヤクルトの選手で両リーグ30号一番乗りは球団史上初めてになる。38試合欠場があるバレンティンは規定打席に到達しておらず、打撃成績表に名前がない。規定打席に到達しないで30本以上打ったのは83年田淵(西武)30本、88年ブライアント(近鉄)34本ら過去5人いたが、規定打席に到達していない選手が両リーグ30号一番乗りは初めてだ。