米球界入りを目指す日本ハム田中賢介内野手(31)が、涙ながらに決意を語った。6日、札幌市内の球団事務所を訪れ、昨年取得した海外FA権の行使を表明し、申請書類を球団側に提出した。球団側と会談後に記者会見し「4年ほど前から米大リーグに興味を持った。今年はけがもあったが、決心が揺らぐことはなかった」と説明した。

 昨年までは選手会長、今年は主将を務めるなど13年間チームを支えた。「ファンに支えられて大きくなりました。球団は『いつでも帰ってきていいよ』と言ってくれた。その言葉だけでありがたい」と、感極まって声を詰まらせるシーンも見られた。来年が3年契約の最終年だが、契約満了を待たず、夢を追いかける。対戦してみたい投手を聞かれ「ずっとチームメートだったので…。ダルビッシュと対戦したら楽しいでしょうね」と語った。

 日本人内野手の評価は下落傾向だが、大リーグの二塁手は不足気味で、獲得に興味を示している球団が複数あるといわれる。「パワーは劣ると思うけど、守備や走塁、バットに当てる技術など、細かい部分でアピールしたい」。本格的な交渉開始は15日以降。代理人のアラン・ニーロ氏に託してメジャー契約を目指す。

 今年手術した左腕は完治。会見後には室内練習場でメジャー球で練習した。優勝パレードなどの日本ハム行事には主将として出席予定で、12月上旬の大リーグのウインターミーティングの終了を待って渡米する。【中島宙恵】