西岡よ、初心に戻れ!

 阪神に新加入した西岡剛内野手(28)が15日、古巣ロッテの主力・井口資仁内野手(38)から「金言」を送られた。メジャー挑戦から日本球界に復帰した同じ境遇。米球界でプレーした野手の多くが日本に戻って精彩を欠くなか、井口は第一線で活躍し続ける。都内で取材に応じ、成功の秘訣(ひけつ)を明かした。

 「僕は向こう(米国)でやっていたという意識をまったく持たないでやった。『オレは向こうに行った』という感じの選手も見受けられる。僕は全然、そういう気持ちがなかった。決して、メジャーの経験が大切じゃなかった」

 元メジャーリーガーの肩書にとらわれない姿勢が大事だと説く。井口はメジャー1年目の05年、ホワイトソックスの主力としてワールドシリーズを制して世界一を達成した。フィリーズなどでプレーし、09年にロッテ移籍。19本塁打、打率2割8分1厘を記録するなど力量を発揮し、日本復帰初年でつまずかなかった。

 西岡とは09、10年にロッテで同僚。二遊間を組み、キャッチボールも一緒に行う間柄だった。西岡が米球界行きを決意したのも井口の存在あってこそだ。打撃技術を認め、親身なエールを送る。「向こうの結果は別として新人に戻って真っさらな気持ちでやってほしい。ドラフトの選手と同じ気持ちでポジションをとるつもりで。ロッテ時代の最後(10年206安打)につかんだものを、また阪神で出してほしい」。西岡はツインズで故障に泣き、結果を残せず。汚名返上の舞台に立つ後輩へのまなざしは温かかった。【酒井俊作】