プロ8年目で初めて開幕投手を務める日本ハム武田勝投手(34)が28日、敵地・西武ドームで最後の調整を行い、大一番へ向けての準備を完了した。普段はポーカーフェースに冷静沈着な発言が目立つが、この日ばかりは「今は早く投げたいという気持ちでいっぱい」と珍しく高揚感をあらわにした。

 オープン戦の防御率は7点台。それでも、4年連続2桁勝利という実績が、この左腕にはある。昨年は戦略上、かわいがっている後輩、斎藤に開幕投手を譲った。さまざまなアドバイスを送ったが「今回、あいつから僕には、何もないですね」と、ちょっぴり寂しそう。「はたから見ているより、自分が投げるほうが気分は楽」と、むしろ、去年よりもリラックスした気持ちで開幕戦を迎えられそうだ。

 この日は球場入りすると、真っ先にダイヤモンドの中心へ足を運んだ。2年ぶりの登板となる西武ドームのマウンドを確認し「相変わらず低い」と顔をしかめる場面も。「西武は開幕戦で、新戦力が活躍するんですよ。緊張しないわけがないので、その緊張を楽しみながら投げたい」。後輩に続く、2年連続の開幕戦完投勝利を狙う。【中島宙恵】