二刀流に挑む黄金ルーキーが、寂しい本拠地デビューを迎える?

 日本ハムの5日のソフトバンクとの本拠地開幕戦(札幌ドーム)の観衆が、2万人台にとどまる可能性があることが1日、分かった。現時点で売れている前売り券は満員の7割弱にあたる2万7000枚ほど。移転10年目の節目のシーズンの門出が、05年以来の“2万人開幕”の危機となっている。

 球界の歴史に名を刻むであろうドラフト1位大谷翔平投手(18)の門出としては、寂しい舞台かもしれない。5日の日本ハムの本拠地開幕戦(札幌ドーム)の前売り券の売れ行きが低調で、満員の7割弱の2万7000枚ほどにとどまっている。あと3日あるとはいえ、これまでの傾向から劇的に売れ行きが伸びるとは考えにくく、8年ぶりの“2万人開幕”が現実味を帯びてきている。

 投打の二刀流に挑戦し、キャンプから話題を独占してきた大谷の存在があっても、思うような観客動員につながらない。6年ぶりにシーズン開幕戦を敵地で迎えたという事情はあるにせよ。それが、北海道移転10年目の現状だ。年間の観客動員数で見ると11年の199万人台から、昨季は栗山監督が就任してパ・リーグを制覇したにもかかわらず、185万8524人に落ち込んだ。球団内には危機感が漂い、「200万人動員」を掲げてスタートしたが、初戦からつまずくことになりそうだ。

 当日は歌手のさだまさしが来場し、「北の国から」のテーマ曲を熱唱。移転10周年記念のテーマ曲「ファイターズと共に」(TRIPLANE)もお披露目される。だが、企画が発表されたのは開幕直前の3月下旬とやや遅く、売れ行きに直結していない。

 西武との開幕戦で2安打を放った大谷には「オレは西武ファンだけど、大谷くんがんばれ!」との声援が飛んだ。大谷への注目は全国区だが、地元の反応はおとなしめ、なのか。球団関係者は「(今日からの)ロッテ戦で大谷選手に活躍してもらうしかない」と、神頼みならぬ“大谷頼み”で駆け込み購入を期待している。