<西武6-2ソフトバンク>◇3日◇西武ドーム

 西武はドラフト3位・金子侑司内野手(22)がルーキー1号を含む5打点をマーク。4連勝で、単独首位に立った。

 西武の“二刀流ルーキー”はかなりの実力派だ。金子が両打ちの特性を生かして2安打5打点を挙げた。左打ちでプロ初打点となる先制2点三塁打を放つと、右打ちではプロ初本塁打の1号3ラン。初めてお立ち台に上がり「テレビで見ていたやつだ」と感激した。

 醍醐味(だいごみ)を味わった。2回に右下手投げの山中を攻略。4回1死二、三塁で、投手が左の山本に代わった。金子はベンチに戻り、右打ち用のヘルメットにかぶり直して打席へ。3球目、直前に空振りしたスライダーを仕留め、左翼ポール際に運び「投手が左に代わって打てたことが、スイッチヒッターをやっていて一番うれしかった」と笑顔で振り返った。

 もともとは右打ち。「中学の時、父に格好いいからやってみろ」と言われて左打ちも始めた。「格好いい」のフレーズは常にプレースタイルの根幹にある。ソフトバンク秋山監督に憧れ、身につけたバック転宙返りの特技もそう。178センチ、70キロと見た目はきゃしゃな体に秘めた高い身体能力を、“本家”の前で見せつけた。

 開幕から「7番右翼」で全5試合に先発出場し、打率は4割6分7厘に上昇。渡辺監督は「思いきりのよさ、迷いのないスイングが今日の結果を生んだ。使い続けていれば、ある程度は打つと思っていた」と驚く様子はなかった。本職は内野手。慣れない外野で多少無理をさせてでも使いたくなる理由を、金子がバットで示した。【柴田猛夫】

 ◆金子侑司(かねこ・ゆうじ)1990年(平2)4月24日、京都府生まれ。小学5年で野球を始める。遊撃手として、立命館宇治(京都)では高校通算20本塁打。立命大では1年から出場し、大学日本代表にも選ばれた。昨年ドラフト3位で西武に入団。契約金5000万円、年俸1200万円(金額は推定)。今春キャンプで計測した30メートル走タイムはチームトップ。右投げ両打ちだが、左投げでも80メートルの遠投ができる。血液型B。