国際オリンピック委員会(IOC)は29日、ロシア・サンクトペテルブルクで開いた理事会で、20年夏季大会で実施する残り1競技を審議。8競技から、レスリング、野球・ソフトボール、スカッシュを最終候補に残した。採用競技は、9月のIOC理事会(ブエノスアイレス)で決まる。

 20年夏季五輪で野球・ソフトボールが復活する可能性が出てきた。3大会ぶり復帰へ向けソフトボールと団体を統合したこともアピール材料となったようだ。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を2連覇して世界にその力を示してきた日本のプロ野球界にとって、五輪金メダルは唯一手にしていない勲章だった。悲願達成のため、日本野球機構(NPB)も復帰活動を積極的にサポートしてきた。国際野球連盟(IBAF)に準会員として加盟。7年後は中心選手として侍ジャパンの一員になるであろう日本ハム大谷、阪神藤浪がビデオメッセージで五輪への思いを訴えた。

 世界少年野球推進財団の理事長で、WBC初代監督でもあるソフトバンク王貞治球団会長も復帰活動に協力した。4月のIBAF総会でスピーチし「私を育ててくれた野球を世界で発展させたい。プロアマを問わず心を1つに立ち向かえば、必ずや(競技復活を)成し遂げられると確信している」と言葉に力を込めた。日本は20年の五輪を東京で開催する招致活動を行っており、その目玉競技になる野球の復帰の可能性は、ファンにとって明るいニュースとなった。