日本ハムが、10年パ・リーグ新人王の榊原諒投手(28)を来季の戦力構想から外したことが9月30日、分かった。今日1日に、榊原を含めた複数選手に来季の戦力外が通達される。3年ぶりのBクラスが決まり、来季の巻き返しへチーム編成の見直しに着手。まだ5年目と若く、実績もある榊原を来季構想外とする決断は、常勝軍団の再構築へ向けた今オフの大改革の前ぶれとなりそうだ。

 タイトルホルダーもチーム改革のために、見切りを付ける。日本ハムが榊原を来季の戦力構想から外す決断をした。今日1日に本人に通達される。今季は8月27日に初昇格したが、2試合の登板にとどまり、シーズンの大半を2軍で過ごしていた。3年ぶりのBクラスから巻き返しを狙う中で、投手陣の大幅なてこ入れを敢行するためにも、実績十分の右腕を来季構想外を決断した。

 榊原は関西国際大から08年ドラフト2位で入団。2年目の10年に、先発が不調やアクシデントなどで早期降板した試合でロング救援を続けてブレーク。10勝1敗、防御率2・63の好成績で新人王を獲得し、ファンからは「ミスター・スクランブル」の愛称で親しまれた。11年はセットアッパーとして60試合に登板も、昨季は春季キャンプ中から右肩痛に苦しんだ。開幕から出遅れ、わずか17試合の登板に終わっていた。

 再起を誓っていた今季も開幕から2軍生活が続いた。1軍のリリーフ陣には矢貫や新人の鍵谷、河野らが台頭。好調時にもなかなか昇格の機会に恵まれなかった。チームは、榊原がシーズン中から周囲に登板機会を求めてトレード志願をしていたことも考慮。まだ5年目の28歳と若く、実績もあり、他球団で現役続行できると見て、今回の決断が得策と判断した。

 来季の立て直しへ、投手力の再整備は懸案事項だ。今季はここまで2ケタ勝利の先発は出ていない。さらに、すでに退団が発表されたケッペル、国内他球団への移籍が濃厚なウルフに代わる助っ人投手の補強も急務。今秋のドラフトでは、投手中心に6~7選手の指名がされる見込みで、榊原の戦力外は、低迷の要因となった投手陣を大幅に刷新する、大胆な改革の予兆と言えそうだ。