日本野球機構(NPB)が常設化した日本代表の新監督に就任する小久保裕紀氏(41)が3日、福岡市内で取材に応じ、17年に予定されている次回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での世界一奪回に意欲を見せた。初陣は11月8~10日に台湾で行われる同代表との親善試合で、将来を見据え26歳以下の若手を中心に編成する。その目玉として、日本ハムから中田翔外野手(24)と大谷翔平投手(19)が招集される可能性が高いことも判明した。

 日本代表の新監督に内定した小久保氏が、力強く世界一奪回を誓った。正式発表前のため慎重な言い回しが多かったが、次回WBCへの意気込みを問われた時だけは「世界一を目指すのは当然」と言い切った。NPBからWBCまでの4年契約を提示されたことも明かし、近く契約を結ぶ見通しを語った。

 週明けに予定されている正式な就任発表後は、すぐに初陣となる11月の台湾戦に向けて動きだすことになる。チーム編成について、小久保氏は「正式に決まってから話したい」としたが、NPBは4年後を見据えた若手メンバーで臨む方針を固めている。すでに26歳以下の選手を各球団から数人ずつリストアップする作業を開始しており、最終的には40~50人の候補の中から小久保氏に台湾戦のメンバーを選んでもらう予定だ。

 関係者によれば、リストアップされているメンバーの中には、日本ハムの中田と大谷の名前があるという。中田は今年3月のWBCでも日本代表入りしており、長期離脱を余儀なくされた左手小指付近の亀裂骨折も完治。大谷は「投打二刀流」が注目される中、シーズンを通して1軍に定着し、投打とも非凡なところを見せた。ともに4年間でさらに成長し、侍ジャパンを背負って立つ潜在能力を秘めており、小久保氏の目に留まるのは間違いない。

 台湾戦は日本シリーズ(26日~)とアジアシリーズ(11月15日開幕)の間に行われるため、現在、上位にいる球団から主力選手を招集できるかどうかは流動的。ポストシーズンへの出場がネックとなって招集できないケースも考えられる。一方、CS進出を逃した中田と大谷にとっては悔いの残る1年となったが、逆に侍ジャパン入りへの支障は少なくなった。新監督から声がかかれば、すんなり代表入りが決まる可能性は高い。台湾で4年後の「エース&4番」が大暴れする姿が見られそうだ。