日本ハム大谷翔平投手(19)が“オトナ”になった。10日、自主トレ中の千葉・鎌ケ谷で、身長の伸びが止まったことを明かした。昨年末のメディカルチェックでは、成長期の人間に見られる骨端線が見つかったが、今季終了後の同検査で、193センチの身長に変化はなかった。成長途上の体を考慮して、この1年はトレーニングを慎重に行ってきたが、今後は制限をかけることなく、体作りができるようになった。

 193という数字に、変化はなかった。ある意味、超人的な成長を見せていた大谷の体は、落ち着いていた。「メディカルチェックを受けました。体重は少し増えてはきていますが、身長は変わらなかったです。止まりました」。2メートルまで伸びそうな勢いだった身長は、20歳を前に、ストップした。

 衝撃事実が判明したのは、昨年末のメディカルチェックだった。エックス線写真に、はっきりと骨端線が写ったのだ。骨端線とは、成長期の人間に見られるもので「成長が止まると自然に消えてなくなるもの」(球団トレーナー)。通常の男性の場合、思春期と重なる10代前半から半ばくらいになくなるのが一般的だという。それが、大谷にははっきりとあったのだ。

 だがこの一年、結局身長は変わらず、大谷本人によれば「骨の障害もなくなった」とのこと。成長途上だった驚異の肉体は“普通”になった。ただ、これは悲観的なことではない。球団側はまだ成長中だった大谷の体を考慮し、トレーニングや育成法は慎重さを極めてきた。投打「二刀流」の負担も考え、トレーナーをはじめ栗山監督ら首脳陣が、一番神経を注いできた部分だ。骨の成長がストップしたということは、今後は制限をかけずに、思う存分体作りをすることが可能になるということだ。

 オフに入り、ウエートトレーニングの比重を大きくし、体を鍛えている大谷。「自分で(メニューを)組み立ててやっています。上半身の裏と表、下半身と、ローテーションでやっています」。骨の成長は止まったが、体幹の強さや筋肉は、ここからが成長期だ。【本間翼】