「守備の鬼」がロッテを優勝へ導く。新外国人ルイス・クルーズ内野手(29=ヤンキース)が3日、華麗なグラブさばきで猛アピール。「僕は守備でメジャーにまで上がった。守備でアピールしたい」と熱く語った。昨年、ヤンキースではジーターの穴を埋めて遊撃を守ったほど。「長所を磨くように」というジーターからのアドバイスを日本で実践する。

 この日のノックでは捕球してから投げるまでの時間が0秒46だった。日本人でも速い方の鈴木が0秒50だっただけに速さが際だつ。高速のグラブさばきは、西武福島スコアラーを「玄人好みのハンドリングだね」と、うならせた。「僕は足が速くはないから、判断や動きを速くしなければならない。それは父から教わった」と、こだわって実践していることを明かした。

 同じ名前の父はメキシカンリーグの英雄だった。通算打率2割9分7厘、200本塁打以上を放った中堅手。小さな豚という意味の「エル

 コチート」というあだ名も父から引き継いだ。父譲りの野球センスで勝負する。

 今季チームはサインプレーの数を昨年より増やした。ここぞという場面での引き出しを増やし、攻めの守りをするという伊東監督の意思だ。クルーズは守り勝つ野球の重要なピースになる。「毎日、試合に出られるように練習する。チームの優勝に貢献したい」。守備の鬼は、勝負の鬼でもあった。【竹内智信】