ゴメス・ウイークや!

 阪神は今日3日ヤクルト戦から9連戦。2戦連発中の4番マウロ・ゴメス内野手(29)に期待が集まる。アンディ・シーツ駐米スカウト(42)が日刊スポーツの取材に獲得への秘話を披露。同じ中軸の一塁手として05年リーグ優勝に貢献した同氏は「3割」「100打点」「ゴールデングラブ賞」に太鼓判を押した。

 ゴメスが止まらない。打率3割台をキープし、得点圏では4割2分6厘。勝負強く打点はリーグトップの34だ。今日のヤクルト戦は3試合連発がかかる。果たして、どれぐらいの数字を残すか。獲得に関わったシーツ氏は海の向こうで毎朝、インターネットで成績をチェック。虎党が泣いて喜びそうな数字を並べた。

 シーツ氏

 阪神の1、2、3番は上本、大和、鳥谷か。みんな好調みたいだね。このまま彼らがいい打撃を続けてくれれば、100打点も可能だろう。打率3割も期待できる。甲子園で本塁打を打つのは難しいが、20本から25本はいくのではないか。

 ゴメスは変化球にも対応して、左右へ打ち分けている。シーツ氏がスカウト初仕事として獲得した5年目マートンとともに14年猛虎打線を支える。開幕前は不安視もされたゴメスだが、同氏の目は正しかった。

 シーツ氏

 彼のことは3~4年前、3Aにいたころから見ていた。パワフルなのに変化球を全く苦にしないし、あらゆる方向に打球を飛ばせる。(指導していた)コーチとよく話したよ。プレーに対して極めて真面目で、野球に取り組む態度が高い評価を受けていた。日本でのプレーを熱望しているとの情報も得ていた。日本で成功するには重要なポイントだからね。

 注目され、期待される打撃だけではない。評判以上だったのが、柔らかいグラブさばきを見せる一塁守備だ。一、二塁間や一塁線を襲う鋭いゴロを身をていするように止める。内野手の一塁送球が少々それても、大きな体でがっしり受けとる。それは、阪神で一塁に固定され05年から3年連続でゴールデングラブ賞に輝いた名手シーツを思い出させる堅実さだ。

 シーツ氏

 体が大きいわりに、俊敏な動きをする。そこもタイガースに推薦した理由のひとつだった。

 高い対応力は証明した。日本での長いペナントレースでさらに成長する可能性を、同氏は指摘した。

 シーツ氏

 これからも変化球攻めはあるはずだから「ボールをじっくり見ろ」と伝えたい。甲子園はともかく、東京ドームや神宮でなら(本塁打を)打てるはず。オマリーコーチ(補佐)やマートンという仲間がいる。日本に行って成長したはずだし、これからも成長するはずだよ。

 広島と阪神で5シーズン。日本で確かな実績を残したシーツ氏の太鼓判。ゴメスの快進撃がまだまだ続きそうだ。

 ◆シーツの活躍

 04年オフに広島から移籍し、05年から3年間阪神に在籍。移籍初年度は3番打者として打率2割8分9厘、19本塁打、85打点を記録してリーグ優勝に大きく貢献した。広島では遊撃を守ったが、阪神では一塁に固定。打球処理や送球の捕球で卓越した技術を発揮し、3年連続でゴールデングラブ賞を獲得した。06年には開幕から9試合連続安打。今年ゴメスに抜かれるまで外国人選手の球団記録だった。