<オリックス2-1ソフトバンク>◇17日◇京セラドーム大阪

 ソフトバンクが今季2度目のサヨナラ負けで首位から陥落した。延長12回。柳瀬明宏投手(30)が伊藤に決勝犠飛を浴びた。攻撃陣に29イニング連続で適時打が出ない中、今季最多7投手による継投は報われなかった。オリックスとの首位攻防戦に連敗し、京セラドーム大阪で今季4戦4敗と鬼門と化してきた。

 7番手は柳瀬。グラウンドで最も高い場所で最大の重圧と戦った。12回無死二、三塁。カウント2-2から最後は5球連続となるフォークを選んだ。ワンバウンドすれば暴投の可能性もある中、自分を信じ、勇気を持って腕を振った。7投手で合計206球を投げ、結末はサヨナラ負け。6連戦の5戦目。今季最長ゲームでブルペン陣は死力を尽くした。

 柳瀬は敗戦の責任を負うように「反省点はいろいろある。先頭出したのが良くない。つないで最後までいったので勝ちたかった」と声を絞り出した。それでも、5番手の五十嵐は顔を上げ、仲間の思いを代弁した。

 「投手陣がみんな仕事をできていると思う。後ろ向きに考える必要はないと思う、この先も前向きにやっていけば勝ちにつながっていくと思う」

 先発中田が無失点で踏ん張るも、7回に森福が先頭の坂口に同点ソロを浴びた。それでも後続を3人で断って、7投手による継投へと持ち込んだ。

 そんな踏ん張りに今は打線が報えない。秋山監督の言葉がすべてだ。「点が取れなかったな。投手が踏ん張ったけどな」。4回の先制点はディクソンの押し出しによるもの。攻撃陣に29イニング連続で適時打が出ない。長いシーズンだからこんな流れもある。今は投手陣が我慢の時期を迎えている。オリックスとの直接対決に連敗し、2位に転落。さあ交流戦前のラストゲーム。「定位置」を奪回するため、今日18日も球界屈指のブルペン陣が力を絞りだす。【押谷謙爾】