<ソフトバンク9-3日本ハム>◇28日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクが2年目高田知季内野手(24)の代打逆転2点適時打で連敗を3で止めた。1点を追う6回無死満塁でプロ初適時打、プロ初打点をマーク。内川が顔面を強打し途中交代した試合で、吉村、高田らベンチスタート組が活躍した。2位オリックスも勝ち、1・5ゲーム差のまま。15安打9得点と打線は勢いに乗った。

 代打高田の一撃は遊撃手の左をライナーで抜けていった。1点を追う6回、無死満塁。日本ハムカーターのスライダーを振り抜き、逆転2点適時打だ。「低い打球だったのでなんとか抜けてくれと」。プロ初適時打、初打点が最高の場面で飛び出した。

 1回、先頭打者の飛球に内川がダイビングキャッチ。この時、顔面を地面に強打し途中交代。5回から本来の代打の切り札吉村が一塁で出場したため、高田に出番が回ってきた。秋山監督も「高田がよく結果を残してくれた」とほめた。この日本ハム3連戦、すべて代打で起用された。登場曲の「Rusty

 Nail」(X

 JAPAN)は、高田がカラオケで得意とするナンバーだ。城所らの前で披露し絶賛され、城所に「この曲の方が盛り上がる」と変更された。

 12年ドラフト3位で亜大から入団。常に同じ亜大出身のドラフト1位東浜の影に隠れていた。高田は「たかた」と読み、大手通販会社「ジャパネットたかた」と同じことから、「ジャパ」の愛称になった。大学球界屈指の遊撃手も1年目の出場はわずか11試合。今季、元遊撃手の石渡2軍監督が「来年は今宮の競争相手にしたい」と徹底指導を施した。

 亜大時代はつなぎに徹していた打撃も、プロ2年間で力強くなった。兵庫・姫路市の自宅でテレビ観戦していた父勝さんは「ファウルで粘れるようになりましたね」と息子の進化を実感する。

 手薄だった代打陣に新たなヒーローが登場した。連敗を止め、息を吹き返したチームが、がっちり首位を守り続ける。【石橋隆雄】

 ◆高田知季(たかた・ともき)1990年(平2)5月6日、兵庫県姫路市生まれ。岡山理大付では2年夏に甲子園出場。亜大で1年春からレギュラー。2年秋に盗塁王。4年では副主将として主将東浜を支えた。通算19試合で24打数5安打2打点。175センチ、64キロ。右投げ左打ち。