ガチンコ勝負、大歓迎です!

 FA権を行使したヤクルト相川亮二捕手(38)が13日、巨人と都内で交渉を行った。球団からは、阿部が来季一塁に転向する中でもレギュラー捕手の確約はなく、横一線での競争を求められた。だが「自分の求めているものと一緒」と堂々とサバイバルを受け入れる心意気を示した。相思相愛の関係で、次回交渉で「巨人相川」が誕生する運びだ。

 20年間、マスクをかぶり続けてきた相川の純な思いだった。阿部の一塁転向で正捕手の座は空位。だが約1時間の交渉に「レギュラー保証」の甘い言葉はなかった。望むところだった。「原沢球団代表から『レギュラーをあけて待っているわけではない。キャッチャー横一線で勝負してほしい』という言葉をもらった。自分も横一線でプレーできるところを探しているので、自分の求めているものと一緒」。思いが一致した。

 ヤクルトでのここ3年は故障や中村を育成する方針から、出場試合が80試合以下を割り続けた。競争できる土俵を欲していた。「阿部君、古田さん、谷繁さんと絶対的な捕手は外せないのは実際に分かる。そうでなければ、横一線で見てほしいし、そうじゃないといけない」と話した。

 勝負できる喜びを第一義に置く。来年は39歳シーズンで、巨人には小林という若き捕手がいる。条件提示はなかったが、単年契約で、ヤクルトとの残留交渉で提示された年俸ベース8000万円を下回る、7000万円プラス出来高前後の提示を受ける可能性がある。「球団としても彼らが出てくることを望んでいると思う。ただ実力の世界ならば、自分が挑戦して上回った時にチャンスはあると思う」と、すべてを理解した上で決断する。

 原監督は「吉報を待っています」と心待ちにした。相川は「(望んでいる)言葉がもらえたし、考えが一致したのも確か。自分の中ですごいプラス材料だった」。巨人のマスクをかぶる覚悟は固まっている。【広重竜太郎】