<21UW杯:日本0-9台湾>◇16日◇決勝◇台湾・台中

 第1回21Uワールド杯決勝で日本は台湾に0-9と大敗し、準優勝に終わった。阪神ドラフト1位指名の横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)は2回1死満塁から2番手で登板。ミスから失点するなど2回2失点と悔しい結果に終わったが、自己最速を更新する151キロをたたき出した。大会通算20奪三振がプロへの手土産になった。

 プロへの手土産は151キロの自己最速更新となった。虎のドラ1位左腕横山は2回1死満塁から2番手で登板。投ゴロを捕り、併殺かと思われたが、本塁への送球がまさかの悪送球となって失点した。だが、すぐに切り替えた。直後、4番打者への2球目、外角低めへの直球が151キロを計測した。自己最速を一気に4キロも上回った。

 「真っすぐを自信持って投げられた。何とかしてやろうと思って投げていた」

 阪神の元守護神・藤川(カブスFA)とよく似た握りを持つ。「ボールの縫い目を指先で覆う感じで握っている」と指をべったりとボールに密着させず、指1本分ほどの空間ができる。指先でボールをつかみ押し込む。山形中央時代に「球にスピンをかけたい」と自身で模索した。誰を参考にしたわけではない。高校3年時にはこの握り方になっていた。一般的な握りではスピードが出なかった。横山が探し出した直球が、世界一を懸けた一戦でうなりを上げた。

 世界の力も肌で感じた。4回1死一塁から2者連続で二塁打を許し、追加点を与えた。降板が告げられると、唇をかみしめた。

 「力の差というか、痛感しました。負けて収穫とは言いたくないですけど、もっと磨かなくてはいけないと思いました」

 2回を投げ4奪三振。今大会3試合10イニングで20奪三振と各国の打者をなで斬ったことは大きな自信になったはずだ。「(阪神で)リーグ優勝に貢献できるようになりたい」。台湾の地からタテジマに思いをはせた。【宮崎えり子】