電光石火の「積極補強策」第1弾が決まった。日本ハムからフリーエージェント(FA)宣言した大引啓次内野手(30)のヤクルト移籍が20日、決定した。この日、松井編成部長が「来てくれると連絡があった」と明かした。背番号など詳細はこれから詰め、近日中にも正式発表の見込みだ。

 機先を制したのが効いた。楽天、オリックスも獲得を表明したが、真っ先に連絡し、交渉解禁の13日に即交渉にこぎ着けた。提示は3年総額3億円超(金額は推定)と他球団を圧倒したわけではない。それでも一番乗りで熱意を訴えた姿勢、「1」と「13」の背番号提示、真中監督の直接出馬といった“スピード感”で強烈な第一印象を植え付けることができた。先制攻撃が実り、松井編成部長も「センターラインが一層強化できる」と頬を緩めた。

 まずは課題の1つを解消したが、補強の手は緩めない。ロッテからFA宣言した成瀬とは13日の初交渉で好感触を得ている。広島を自由契約となったミコライオをはじめとした外国人も継続調査中だ。松井編成部長は「大引が来てくれたので形ができだした。成瀬も来てくれると思う」とうなずいた。低迷打破に向けた骨格作りへ、二の矢、三の矢も決める。【浜本卓也】