阪神が25日、オリックスから国内FA宣言した金子千尋投手(31)争奪戦への「参戦」をあらためて表明した。兵庫県西宮市内の球団事務所で会議を開き、獲得に動くことを前提に継続調査する方針を確認した。この日、金子が右肘遊離軟骨除去手術を電撃発表したが、獲得意思は不変。タイミングを見定めてアタックする方針だ。

 前日24日に金子が今オフのメジャー移籍を断念すると、阪神は早くも獲得意思を示した。この日は、球団事務所で南球団社長、高野球団本部長、中村GMらが金子の争奪戦を見据えた緊急会議を開いた。この日の夕方、大阪市内のホテルで行われた球団納会に出席した南球団社長は「方向性は獲得にいこうと。今日の段階では乗り出している。(ただ)もうちょっと調査を進める。他球団の動向、オリックスの動向、本人の動向など情報がほしい」と説明した。

 この後、金子側が今月下旬にも右肘の遊離軟骨除去手術を受けることを明かした。球団幹部によれば、それでも獲得に動くことは前提で阪神が基本的に認めていないポスティング制度について来オフ以降、金子がどう考えているのか。また右肘の状態など、多角的に情報を集約した上で交渉に乗り出す方針だという。

 金子争奪戦への参戦意思は坂井オーナーにも伝えている。南球団社長は「だいたいのことはご了承いただいている。あとはタイミングを見て」と説明した。来季は球団創設80周年。獲得できれば記念すべきシーズンの目玉となれる。球界を代表する右腕の獲得へ、猛虎は腰を据えて挑む。