松中にキング魂が伝授された。ソフトバンク松中信彦内野手(41)のもとに、同じグアムで自主トレ中のサッカー横浜FCのFW三浦知良(47)から金言が届いた。「チーム内での自分の役割を見つけたらいい」。カズのメッセージに、松中は感激し「今のチームに本塁打を打てる日本人はいない」と思いを新たにした。今年こそ代打として結果を残し、完全復活を遂げる。

 13日、グアムで自主トレ中の元3冠王に、サッカー界のキングからメッセージが届いた。40代になっても現役を続ける秘策とは-。昨季、代打として打率1割1分1厘の結果しか残せなかった松中に贈られたのは、説得力のあるアドバイスだった。

 「40代になって自分の体の変化を感じていると思う。トレーニングを変えなきゃいけないと試行錯誤する時期は必ずくる。僕も37歳の時がそうだった。でも、それを乗り越えれば、自分の違った価値観、チーム内での役割が見えてくる。あとは自分の気持ち次第。技術、経験があるからここまで活躍できた。これから、彼にしかできないことも必ずある」

 約10年前から、毎年1月にグアムで顔を合わせるレジェンドからの熱いエール。深イイ話を伝え聞いた松中は、子供のように目を輝かせ、「この道しかない-」とばかりに、今年に懸ける思いを打ち明けた。

 「めちゃくちゃうれしい。15年の僕のスタイルを見つけなきゃいけないと思っていた。このオフやってきたことは間違っていなかったんですね」

 松中が目指すチーム内での役割は、本塁打や犠牲フライの打てる力のある代打。「うちにはヒットメーカーは大勢いるが、大きい当たりを打てる日本人はいない。そこが僕の生きる道だと思って、11月からトレーニングを積んできた」。昨年活躍できなかった反省を踏まえ、11月から理想の体づくりを続けてきた大砲は、グアムでもバットは握らず、キャンプで動ける体をつくることがテーマだ。

 カズが今季プロ30年目なら、19年目の松中は「逃げ道はない。結果を残さないと目標にしている20年目はない」と不退転の決意を示した。「自分を追い込んで地道にトレーニングできる体、精神力はすごい」と尊敬するカズの言葉を胸に刻み、惑うことなく、自らの生きる道を突き進む。【福岡吉央】