1年後のプロ入りへ東海大・菅野智之投手(4年=東海大相模)が動きだした。7日、沖縄・那覇市内で春季キャンプを公開。今年2度目の紅白戦に先発し、最速144キロ、2回を2安打無失点に抑えた。3日の初登板で乱れた変化球の制球も安定。だが「出来は底辺にもいかない程度。トレーニングもしているし、成果が出るのはまだまだ先」と、計画的な発展途上の段階であることを強調した。

 というのも、ビジョンが明確だからだ。菅野は昨年、日本ハムのドラフト1位指名を拒否。浪人して次のドラフトを待つ間、練習をプロ仕様にシフトした。「もし先発ローテ入りなら、ブルペンから200球くらい投げるだろう」と想定。中4日の登板間隔なら球数はこれくらい、と、シーズンの流れを考慮してメニューを組み始めている。

 さらに意欲的なのが打撃練習。首都大学リーグはDH制だったが、伯父の原監督率いる巨人を筆頭にセ・リーグ球団なら打席に立つ。「代打を送られて勝ち星を消すとか、もったいないことはしたくない」。バント練習を取り入れ、この日も試合後特打に参加した。

 31日までは日本ハムに交渉権がある。しかし「もう今年1年をどう過ごすかしか考えてません」と即答した。この紅白戦も巨人、阪神、楽天のスカウトが観戦していた。菅野の中で、勝負の1年はもう開幕している。【鎌田良美】