<東京6大学野球:法大5-3慶大>◇第1週2日目◇16日◇神宮

 法大が0-3からの逆転で慶大に先勝し、1勝1分けとした。1点差とした5回、高校時代に8割打者としてプロから注目を浴び、今季からレギュラーを獲得した西浦直亨(なおみち)内野手(3年=天理)が逆転2ランを放った。

 やっと神宮で脚光を浴びた。1点ビハインドの5回2死一塁。西浦直は狙っていた内角寄りのスライダーを引っ張ると、打球は左翼席に飛び込む逆転2ランとなった。リーグ戦初本塁打に「投手が粘っていたので何とかしたいと思っていた。まさか本塁打が打てるとは。この舞台は、今までやってきたことが報われました」と笑みを浮かべた。5番に抜てきした金光監督も「これで吹っ切れるかな」と今後の活躍を期待した。

 高校野球のヒーローも、大学ではもがき苦しんだ。高校3年の奈良大会で通算17安打、打率8割1分と大会史上最高記録を残し、プロから注目を浴びた。しかし、大学では昨年までわずか13試合出場で通算打率は1割7分4厘。「どんな球にも手を出していた」という選球眼の悪さが原因だった。冬場は投球を長く見るためトップの位置を早くつくるフォームに変更。母校に自主トレに来た大学の先輩、オリックス大引の姿を目に焼き付けた。今春はオープン戦で3本塁打。ようやく大器が目覚めた。

 3年目でつかんだ先発出場に「やっと使っていただける技術、精神力がついた」と自負するが、一方で「まだレギュラーじゃない」と油断はない。目標は打率3割5分。その先に見据えるのは、実績をつくってのプロ入りだ。【斎藤直樹】