<東京6大学野球:法大2-1立大>◇第2週初日◇21日◇神宮

 155キロ右腕、三嶋一輝投手(4年=福岡工)の投打の活躍で、法大が立大に先勝した。投げては5回まで完全投球で、4安打1失点完投。打っても4打数4安打とフル回転だった。

 三嶋は出ずっぱりだった。最後まで1人でマウンドを守り、ひとたび打席に立てば2長打含む4打数4安打。最速147キロの直球を低めに集め、ともにドラフト候補の立大・小室に投げ勝った。「1点差になったとき、監督に『ここで勝たなきゃエースじゃない』と言われた。意地でも勝とうと思いました。打撃はたまたま」と照れ笑いした。

 今季初勝利。昨年4月16日の東大戦以来、1年ぶりの白星でもあった。昨秋も8試合に登板したが0勝2敗。剛速球を武器に、抑えで最優秀防御率を獲得した2年春の面影はなかった。「去年があまりにひどかったので」。今年はエースナンバー「18」を背負う。

 入学当時、エースだった二神(現阪神)の姿が印象に残っている。「練習中からオーラがあった。4年生がしっかりしてるから下級生もついていけた」。先発でも抑えでも頼られる柱になるべく、冬場に200球を超える投げ込みを5日連続で行い、体力を強化した。

 今は以前のような150キロ超の速球がなくても、140キロ台中盤で試合がつくれる。5回までの完全投球につられるように、バットもうなった。もともと両打ちだが、大事な右腕をかばって大学では右打ち。「右の方が飛ぶし、気持ちいいですよね」。攻守にけん引する三嶋は、本物のエースになった。【鎌田良美】