<東京6大学野球:早大3-2明大>◇第6週2日目◇20日◇神宮

 早大が明大を下し、3季ぶり43度目の優勝に王手をかけた。先発の吉永健太朗(1年=日大三)から有原航平(2年=広陵)への継投が決まった。吉永は6回2/3を2失点で4勝目。1年春に4勝は07年斎藤佑樹(早大)以来史上5人目。4戦4勝は29年小川正太郎(早大)以来2人目で戦後初の快挙となった。

 吉永は祈るようにベンチから戦況を見つめた。初めて2失点し、6回2/3で降板。救援の有原が9回1死三塁から連続三振を奪うと、同僚とともにベンチからグラウンドに飛び出した。「自分が1点差にして申し訳なかったけど、試合はつくれたと思う。勝つことが最終目標。投げる試合は全部勝ちたかったので、うれしい」。普段から記録にはあまり関心を寄せないが、4戦4勝でチームのV王手に貢献したことを素直に喜んだ。

 初めて1回戦を引き分けて巡ってきた登板に、多少動揺があった。立ち上がりは力みから球が高めに浮き、高校時代の同僚高山に右前打を浴びた。それでも「力んでもしょうがない」と開き直り、2~5回は無安打。7回2死一、三塁から2点二塁打を浴びて降板したが、次打者の三塁内野安打で二塁走者が三塁をオーバーランしてタッチアウト。ツキも味方し、リーグ単独トップに立つ4勝目の権利は消えなかった。

 早大は今日21日の3回戦に勝てば、法大と並ぶリーグ最多43度目の優勝となる。岡村猛監督(57)は「我々は全力を尽くすだけ。ここまでチームが勝つとは。吉永も全力で投げた結果でしょう」と、熱戦を制してのVリーチにも平常心を強調していた。【斎藤直樹】