<全日本大学野球選手権:亜大4-2龍谷大>◇17日◇準決勝◇神宮

 龍谷大(関西6大学)が初の決勝進出を逃した。1回に古本武尊(たける)外野手(4年=福岡大大濠)の適時打で先制し、3回にも坂本佑太内野手(2年=龍谷大平安)が同点打を放つなど、優勝候補の亜大(東都)相手に善戦。本年度限りで退任し、最後の大学選手権の指揮となった椹木寛監督(64)を球場前で胴上げし春の戦いを終えた。

 神宮球場前で、龍谷大椹木監督が宙に舞った。泣きじゃくるナインに胴上げされ「恥ずかしいから、はよ帰ろ」とバスに消えた。涙を隠すためだった。敗れはしたが監督が「ここにいられることがうれしい。選手に感謝したい」と胸を張った準決勝。1回に先制打の古本は、首位打者の可能性を残す通算打率5割でドラフト候補の面目躍如だった。先発の井口勇佑(4年=天理)も「一番の投球が出来ました」と奮闘した。

 高熱に苦しんだ日も休まず指導を続けた監督に報いるため全員が力を出し切り、その結果の14年ぶり4強だ。監督は、秋のリーグ戦は全幅の信頼を置く山本樹コーチ(41)にサインを任せることも検討。再び力をつけ秋の神宮に戻る。