今秋のドラフト候補、道都大の西藤昭太投手(4年=鵡川)が13日、今季の道内初登板で3回無失点の好投を見せた。室蘭市内で行われた社会人野球・室蘭シャークスとのオープン戦で、6回からリリーフ登板し被安打2に抑えた。「まだまだ3割ぐらいです」と冗談めかしたが、上々の37球だった。

 道内でのチーム初のオープン戦で、新エースが躍動した。昨季までの大黒柱、佐藤峻一投手(22)がオリックス入りし、その背番号18を継承した。この日は140キロ台の速球を軸にして、スライダーなどの変化球に、新しく覚えたフォークボールも交えた。7、8回に1安打ずつを許したが後続を断ち、社会人チームに得点を許さなかった。

 昨秋の札幌6大学リーグで3勝2完封。MVPと最優秀投手賞に輝き、プロの注目も浴びるようになった。「プロを目指したい。でもまだすべてに足りない」と本人はレベルの違いを感じている。太田起宏捕手(4年=北海)は「状態としては悪くない。後は下半身をうまく使えるようになれば大丈夫」と話した。

 3季連続優勝を狙う春季リーグは5月1日に開幕する。山本文博監督(57)は「オープン戦で調整しながら開幕には仕上げてくれるでしょう」と、エースの自覚が出てきた右腕を信頼する。【中尾猛】

 ◆西藤昭太(にしふじ・しょうた)1991年(平3)4月4日、上砂川町生まれ。上砂川小3年から野球を始める。上砂川中では空知滝川シニアに所属し、鵡川高では1年秋からベンチ入り。2年秋には背番号1で秋季全道大会優勝に貢献し、明治神宮大会ではベスト4進出に導いた。3年時の09年春甲子園では、1回戦で花巻東(岩手)の菊池雄星(現西武)と投げ合い、0-5で敗退。家族は両親と姉。182センチ、85キロ。右投げ左打ち。