<東京6大学野球:早大6-0東大>◇第2週第1日◇20日◇神宮

 早大のエース番号11を背負った有原航平投手(3年=広陵)が今季初登板で快投を演じた。東大相手に6回まで打者18人で封じ込む完全試合ペース。7回1死後に右前打を許し大記録の望みは断たれたが、7回を2安打無失点に抑え、今季初勝利を挙げた。東大は通算49連敗となった。

 有原の投じた90球目だった。東大・飯田へのカットボールが直後に右前に落ちた。7回1死後、打者20人目が初走者となった。ここで記録の望みは消えた。もっとも有原は落ち着いたものだった。「いつかは打たれると思った。それがたまたま7回まで来ただけなんで」。淡々と振り返った。

 最速151キロの速球にスライダー、カットボール、ツーシーム。さらに100キロ台のスローカーブもまじえた。東大・浜田一志監督(48)は「速球に威力はあるし、スライダーが切れていた。あのレベルのスライダーが来るとウチの打者では…」とお手上げの表情を浮かべた。

 10年センバツ甲子園の4強投手だ。1年春に神宮デビューを果たしたが、もっぱら抑え役だった。それが昨秋、先発に回って開幕勝利。4勝(1敗)を挙げ、チームの勝ち頭となった。今季は2年間欠番だった早大のエースナンバー11を背負っての出陣だ。「つけさせてもらった以上、しっかりと投げたい」。早速、結果を出した。

 岡村猛監督(58)は「安打が出たら代えるつもりだった。そんなに甘くないということでしょう」と笑った。7回2安打7奪三振。「初安打を打たれたあとのもう1本がいけない。もっと集中しないと」と有原。自己評価は80点だった。【米谷輝昭】