ゴジラの次は「500万人署名」で五輪復活を目指す。全日本野球協会と日本ソフトボール協会は4日、2020年夏季五輪での競技復活に向けて都内で合同会議を行った。全日本野球協会・鈴木義信副会長(69)ら首脳陣が話し合い、劣勢を巻き返すため署名活動の実施を決めた。五輪復活へ、最大のライバルとなるレスリングはすでに約100万人の署名を集めているが、野球・ソフトボールはプロ野球と協力し500万人の署名を集めることを目標とした。

 五輪復活へ次の一手は、500万人の声を集めることだった。鈴木副会長は「高校、大学、社会人、リトル、ボーイズ、軟式、全ての競技人口を合わせて200万人。それにプロ野球さんにも協力していただいて500万人の署名を目指したい」とぶち上げた。同じく最終候補に残ったレスリングはすでに94万人を超える署名を集めているが、その5倍となる数で巻き返しを狙うと宣言した。

 残り3つの最終候補となり、火が付いた。鈴木副会長は「やれることは何でもやる。関係各位、各団体にお願いをしてできる限りのことをしないと」と署名活動の重要性を話す。先月30日に五輪競技の最終候補に残り、会見を開いた際には物理的に困難と難色を示していた。一転、劣勢が伝えられる野球・ソフトボール復活のために、まずは国内の機運を高めるために必要不可欠と判断した。

 500万という数を集めるため、カギを握るのは日本プロ野球機構(NPB)だ。東京ドームや甲子園といった公式戦の会場で署名活動を行うことができれば、約10万人分を1日で集めることができる。“最後の1枠”を決めるIOC総会(9月8日、ブエノスアイレス)まで100日を切り、より多くの声を集めるにはプロ側の協力は必要不可欠な状況だ。国民栄誉賞を受賞した松井秀喜氏(38)へのロビー活動などの協力要請も含め、6日午後にも鈴木副会長らがNPBに出向いて話し合いを持つ。

 アマ球界は19日以降、ソフトボール協会は7月4日から岐阜で行われる東アジア杯から署名活動を行う予定だ。日本の総人口約1億2800万人で、500万人。約26人に1人が署名する計算だが、プロアマが手を取り合い五輪復活を目指す。【島根純】