<全日本大学選手権:東北福祉大2-1近大>◇12日◇1回戦◇東京ドーム

 東北福祉大(仙台6大学)は近大(関西学生)を振り切り、全日本大学選手権通算50勝をマークした。大学全国デビューの出口心海(岩手・盛岡大付)と城間竜平(青森・光星学院)の1年生2人を含む3投手の継投で逃げ切り、初戦突破を決めた。

 東北福祉大が7年連続30度目の大学選手権で通算50勝を挙げた。85年(昭60)の全国初勝利(関東学院大戦)から積み上げてきた選手権白星。山路哲生監督(46)は「これを節目にして次の100勝を目指してやっていきたい」と2回戦以降を見据えた。

 全国初出場の83年初戦から続く近大との因縁対決。過去1勝6敗と分が悪く、3月の練習試合も2-6で敗れていた。だが、意表を突く左右の1年生投手リレーで、選手権では同カード26大会ぶりの勝利を呼び込んだ。8回途中から3番手登板の2年生左腕・高橋陽平(宮城・東陵)を含め、山路監督は「今日は、投手3人に尽きる」と勝因を掲げた。

 先発の出口と2番手の城間は、ともに昨夏甲子園投手で大学全国デビュー。出口は3回2/3を3安打4奪三振でゲームメーク。4回表2死二、三塁で救援した城間は、4球連続ボールで満塁の窮地を背負ったが、後続を打ち取り、勝利投手になった。この日朝に先発を告げられた出口は「(巨人の)杉内さんがここで投げているんだな」と感動のマウンド。城間は「先輩たちが支えてくれた。打ち損じてくれたので、ラッキーでした。今度は先発したい」とさらなる登板に闘志を燃やした。高橋も「1年生投手2人ともが頑張ったので、ふがいないピッチングはできない」と発奮した。2回2/3を無安打で締め、今春リーグMVPの貫禄を示した。

 野手陣も攻守で援護。打線は計13三振献上も、少ない好機をものにした。昨秋リーグ連覇が途切れた後の再スタート。山路監督は「悔しい思いをして自分たちでできるようになってきた。51勝目を目標にして明日も全力で戦うだけ」と2回戦の日本文理大(九州)戦に気持ちを切り替えた。【佐々木雄高】