<全日本大学選手権:明大7-0富士大>◇14日◇準々決勝◇神宮

 32年ぶりの日本一を目指す明大(東京6大学)が、3投手の7回ノーヒットノーランリレーで5年ぶりの4強進出を決めた。先発の関谷亮太投手(4年=日大三)が6回12三振を奪うと、上原健太投手(2年=広陵)今岡一平投手(3年=横浜隼人)と無安打でつなぎ、富士大(北東北)を破った。

 スタンドがざわめき始めた6回、関谷はベンチで善波達也監督(50)に呼び止められた。12奪三振で無安打だったが、7回コールド勝ちが目前だった。「日本一になることが目標。参考記録だし、上原、今岡にも投げさせたいということでした」と受け止めた。

 140キロ台前半の直球をコーナーに投げ分け、チェンジアップを自在に沈めた。5回無死一塁からは、5者連続三振。西武岸を参考にする決め球は「真っすぐの軌道で来て、落ちる」を理想にする。

 制球重視のスタイルは恩師と重なる。中学時代は元巨人エースの桑田氏が会長を務める麻生ジャイアンツの1期生だった。OBとして日大三で初めて甲子園に出場し、初めて神宮に立った。今春のリーグ戦では、東大特別コーチを務める桑田氏が神宮に観戦に訪れ、「再会」も果たした。桑田氏とともにチームを創設した父俊郎さん(53)は「会長からは、スピードガンと勝負するなと言われていた」と懐かしむ。愚直に外角低めの制球力を磨き続けて、今がある。

 これで5年ぶり4強。81年の優勝時は、明大3年だった父が背番号「22」でベンチ入りしていた。親子Vまであと2勝。春の日本一を、総力戦で取りにいく。【前田祐輔】