<全日本大学選手権:日体大6-1東北福祉大>◇14日◇準々決勝◇神宮

 東北福祉大(仙台6大学)が日体大(首都)に敗れ、優勝した04年以来9年ぶり11度目のベスト4を逃した。先発の城間竜兵(青森・光星学院)から1年生投手3人をマウンドに送ったが、中盤に逆転され、突き放された。

 東京ドームで2試合を勝ち上がり、2年ぶりに学生野球の聖地・神宮に戻った東北福祉大が、同球場で5年ぶりの選手権白星を逃した。2回にフルカウントからのスクイズで先制したが、8強への原動力になった1年生甲子園投手トリオがつかまった。4、5回で計6失点。神宮大会を含めて過去4勝1敗と相性のよかった日体大に逆転された。

 にわかに暗雲が立ち込めたのは4回だった。ナイター照明が点灯した中で状況は一変した。初戦の近大戦で勝利投手になった城間は、全国制覇した高校2年秋の神宮大会決勝以来2年ぶりの神宮登板。1死二塁のピンチで降板し、大学での全国大会初先発を白星で飾れなかった。2番手の左腕出口心海(岩手・盛岡大付)も同点三塁打と勝ち越し犠飛を許し、1回1/3を4安打3失点(自責2)。5回2死一、二塁で登板した波多野陽介(新潟・日本文理)も失策絡みで2失点(自責0)した。

 打線は6回に無死満塁の好機をつくったが後続が倒れて無得点。終盤も塁上に走者を出しながら打線がつながらなかった。

 主将でエースの伊藤直樹(4年=日本文理)が右肘故障で出遅れる苦しい台所事情の中、リーグ戦から何とか乗り切ってきた。1年生3人の継投は報われなかったが、秋以降に向けて貴重な経験も積んだ。山路哲生監督(46)は「エースが故障で投げられない中、下級生でつないでくれた。1、2戦目の試合が常にできるように、経験したことを次につなげてほしい」と期待。出口は「3人で切磋琢磨(せっさたくま)して一回りも二回りも成長したい」と雪辱を誓った。【佐々木雄高】