<日米大学野球選手権:日本3-6米国>◇第1戦◇6日◇松山・坊っちゃんスタジアム

 今秋のドラフト1位候補、大瀬良大地投手(4年=九州共立大)が粘りを見せたが、3失点(自責点1)で初戦黒星を喫した。国際大会仕様でスローカーブを多投。49分間の降雨中断を乗り越えて5回まで無失点投球も、6回に3連打で同点とされ、残した走者を後続投手が生還させた。それでも日米6球団のプロスカウトは高評価を与えた。

 ミスが命取りとなった。大瀬良は6回、先頭打者のゴロを捕り損ねた。「記録はヒットだけど僕のエラー。体が一塁側に流れてしまった」。ここから連打を浴びて1-1の同点となったところで降板。2番手の六埜が送りバントを一塁に悪送球して2者が生還し、悪夢の逆転を許した。4回1死には49分間の中断を挟みながらも続投したが、結果は報われなかった。

 国際大会仕様で臨んだ。昨冬アジア選手権(台湾)の経験から、海外の打者には緩急が有効と判断。この日最速150キロの直球に「普段は多くても1試合で3球ぐらい」という100キロ台のスローカーブを10球ほど交えた。2回2死満塁ではファウル6球で粘られながらも、147キロ内角直球で三振に斬った。「粘られても気持ちを切らさず投げられた。自信になった」と次回登板への糧は得た。

 6奪三振で自責点1の投球内容に、スカウトの評価は高かった。米大リーグ、ヤンキースのスビリック国内調査担当(35)は「体が強い。直球がいいし、もし仮に彼が望むならば(大リーグでのプレーは)可能だ」。ロッテ山森スカウトは「排気量がある。スカイラインGT-Rぐらいのエンジンだね」と大物感を車に例えた。敗戦にもドラフト1位級の評価に変化はなかった。【斎藤直樹】

 ◆大瀬良大地(おおせら・だいち)1991年(平3)6月17日、長崎県生まれ。小4から野球を始める。長崎日大では3年夏に甲子園出場。九州共立大では2年時に日米大学野球で日本代表。3年時はアジア選手権で社会人と合同の日本代表。187センチ、89キロ。右投げ右打ち。