<日米大学野球選手権:日本7-4米国>◇11日◇第5戦◇神宮

 日本が最終戦に7-4で勝利し、3勝2敗で2大会ぶり17度目の優勝を飾った。2番手で登板した関谷亮太投手(4年=明大)が2勝目を挙げ、MVPに輝いた。同点の4回に嶺井博希捕手(4年=亜大)の中前適時打で勝ち越し、5回は梅野隆太郎主将(4年=福岡大)中村奨吾内野手(3年=早大)の連続本塁打で突き放した。大城戸匠理外野手(4年=法大)が打率4割6分7厘で首位打者、山崎康晃投手(3年=亜大)が最優秀投手賞を獲得した。

 死球を受けた7番岡大海内野手(4年=明大)が、ヘルメットをグラウンドにたたきつけて、米国フィナガンに歩み寄った。同点の4回1死から、右膝にボールを受けて激高。5試合を通し「頭とかに何度か投げられていた」と熱くなった。両軍ベンチから、選手、スタッフが飛び出し、あわや乱闘の事態になった。

 2勝2敗で迎えた最終戦は、敗れれば日本開催では79年以来のV逸だった。岡は「自分がしたことがいいとは思わない。しっかりと反省しないといけない」と言ったが、結果的にこれが打線に火を付けた。直後に岡が二盗を決め、1死一、三塁から9番嶺井の勝ち越し適時打が飛び出した。

 だが、不穏な雰囲気は続く。5回に梅野がソロを放つと、振り切って投げたバットが偶然米国の三塁側ベンチに転がった。熱くなった米国側が、日本ベンチにバットを投げ返した。さらに続く中村がソロを放ってガッツポーズしたことに、怒って抗議。直後に審判が両チームの監督に対して、警告試合を宣告する異例の事態になった。

 米国側も試合中にベンチに入らず、グラウンドに出続けるなど態度が悪く、善波達也監督(50=明大)が抗議する場面があった。試合後は握手を交わしたが、一触即発の激戦を制した優勝だった。【前田祐輔】