社会人野球を統括する日本野球連盟は24日、都内で臨時の業務執行会議を行い、所属チームから登録抹消をしないまま、ドジャースとマイナー契約を交わしたクラブチーム「エディオン愛工大OB

 BLITZ」の沼田拓巳投手(19)と所属チームに対して、厳しい処分を科す方針を固めた。処分内容については今後日本野球機構(NPB)などとの協議が必要なため明らかにはしなかったが、沼田には最も重い除名処分を科す可能性がある。同連盟・崎坂徳明事務局長は「ドラフト前に契約するのは、過去に1度もない初めてのケース。うちだけの問題ではない」と説明した。

 沼田は、大垣日大(岐阜)から名古屋産大に進学し、1年で中退。NPBとの申し合わせでは、社会人1年目の大卒扱いとなり、国内では来年まではドラフト指名できない選手だった。プロ球団との契約前に必要な登録抹消手続きは行わず、同連盟にとっては明確な規定違反に当たる。チーム側に求めた報告書でも、登録抹消前に契約していた事実を正式に確認した。

 今回は全国的には無名の選手だが、今後国内球団が獲得を希望する有力選手が、ドラフト解禁前に大リーグ球団と契約を交わす事態になれば大問題に発展する。日米間の新人選手獲得に関する「紳士協定」を揺るがす案件に、厳しく対処する方針だ。