<明治神宮大会東北地区大学代表決定戦:八戸学院大1-0富士大>◇28日◇決勝◇仙台市民球場

 八戸学院大(北東北1位)が富士大(同2位)を破り、3年ぶり4度目の明治神宮大会(11月16日開幕)出場を決めた。左腕エース秋山翔夢(3年=函館工)が安定感ある投球で5安打シャットアウト。27日の準決勝、東北福祉大戦から2日連続完投勝利に加え、2回には大学初安打で決勝点につなげるなど投打に活躍し、前回代表時のエース塩見貴洋(25=楽天)以来の最優秀選手、最優秀投手ダブル受賞も果たした。

 エース秋山の左腕が八戸学院大を3年ぶりの神宮に導いた。球の出所が見にくい小さなテークバックから低めに制球して5回までに6奪三振。「最終的に27個(アウトが)取れればいいや」と力を抜き、6回からは打たせて取って3人すつで片付けた。3試合連続コールドで勝ち上がってきた富士大打線を散発5安打。最後の打者を右飛に仕留めると、秋山は瞬く間に仲間に囲まれた。「うるっときました」と笑い泣きで勝利を喜んだ。

 北東北リーグでも富士大は宿敵だ。その主軸で今大会9打数5安打2発9打点の西武ドラフト2位・山川穂高(4年=中部商)を無安打に封じた。この秋は2度対戦して1安打だけだったが、春に浴びた特大バックスクリーン弾は今でも脳裏に焼き付いている。9回の先頭で山川を迎えた時は「1本狙ってくるだろう」と初球にカットボールを選択し、三飛に斬った。「一番神経を使うバッター。刺激になりました」と、自分を成長させてくれた強打者との最後の対戦を楽しんだ。

 バットでも勝利に貢献した。2回2死二塁から左前打でつなぎ、1番中嶋涼太外野手(3年=横浜創学館)の決勝打につなげた。リーグはDH制のため、これが大学初ヒット。大会1週間前から野手陣の邪魔にならないようにマシン打撃を繰り返した成果が出た。「打つのは好き」と神宮大会の打席を楽しみにする。

 昨年の全日本大学選手権以来の全国舞台。11月16日の初戦は神宮第2で九州代表と戦う。夢の神宮に立つために「1つは勝たないと」と秋山。「もちろんゼロに抑える。全力でいきます」と力強く完封を宣言した。【高場泉穂】

 ◆秋山翔夢(あきやま・しょうむ)1992年(平4)7月8日、北海道木古内町生まれ。函館工では1年秋からベンチ入り。3年夏は道大会8強。八戸学院大では1年秋からリーグ戦登板。通算13勝3敗。今秋は43回2/3を投げ防御率0・41で最優秀防御率、最優秀選手賞に選出された。180センチ、73キロ。左投げ左打ち。家族は両親、姉、弟。血液型O。