<仙台6大学野球:東北福祉大10-0宮城教育大>◇第2週第1日◇19日◇東北福祉大球場

 東北福祉大の右腕・波多野陽介投手(2年=日本文理)が、公式戦初先発で5回参考記録ながらノーヒットノーランを達成した。宮城教育大相手に出塁を許したのは内野手の失策による1度だけで9三振を奪った。チームは10-0のコールドで開幕3連勝を飾った。

 公式戦初先発とは思えない波多野の快投だった。3回まで5者連続三振を奪うなどパーフェクト。4回に失策で先頭打者に出塁を許したが、次打者の犠打が自分への飛球になって併殺に仕留め、5回を15人で料理した。「走者が出て(完全から)完封に切り替えた。自分の投球ができた」と、昨秋以来のリーグ2勝目を喜んだ。

 先発を告げられたのは、この日朝。中継ぎ、抑え専門の2年生右腕は、ボールの切れを買われて山路哲生監督(47)に抜てきされた。期待に十分応える投球に同監督も「いい内容だった」とニンマリ。花岡竜也(4年=作陽)城間竜平(2年=八戸学院光星)らに続き、計算できる先発が誕生した。

 冬場は緩急をテーマに初めてカーブを覚えた。最速143キロの直球主体に、打者の打ち気をそらす新球を交える。その効果でスライダー、フォークの威力も増した。少し体の力を抜くことも覚え、スタミナの不安も消えた。4回2/3の最長投球回数も更新した。

 チームは開幕3試合連続コールド勝ちと、春8連覇へ順調に滑り出した。波多野は「打たれても点を取られない投手に」と、さらなる飛躍を誓った。【久野朗】

 ◆波多野陽介(はたの・ようすけ)1994年(平6)4月6日、新潟県五泉市生まれ。小2から地元の巣本タイガースで野球を始め捕手。中2春から投手。日本文理では2年春、夏に甲子園出場。東北福祉大では1年春からベンチ入り。家族は両親、祖父母、兄、弟、妹。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。