<東都大学野球:亜大4-2青学大>◇第3週第1日◇22日◇神宮

 野村家のDNAが目覚めた。広島野村謙二郎監督(47)の長男で亜大・野村颯一郎内野手(1年=崇徳)が「1番DH」で先発し、5回にリーグ戦初安打となる同点適時打を放つなど2安打1打点で勝利に貢献した。チームも青学大に先勝した。

 父の現役時代と同じ背番号7を背負った野村が、父謙二郎氏の目の前で打った。1点を追う5回2死三塁。カウント1-1からツーシームをはじき返し投手強襲。公式戦初安打が同点の適時打。「1本出てほっとしました」とスター性を見せつけた。ナイターのヤクルト戦を前に駆けつけた父の存在は知らなかったというが、「打てて良かったです」と照れ笑いを浮かべた。

 野村家の血が目覚めた。開幕の中大戦に7番DHで先発したが2打数無安打で途中交代。子どものころから「気迫だ。チャンスの場面で1本打てるのがいいバッター」と言われてきただけに、チャンスを生かせず悔しがった。前日21日に先発を言い渡され「打ってやろうと思いました」。この2週間は逆方向を徹底的に意識して練習。父の言葉と鍛錬の成果が、4打数2安打1打点となって表れた。

 史上最多タイの6季連続優勝を目指すチームにとっても大きな存在となりつつある。生田勉監督(47)も「足もあるし、経験を積んでいけばいい結果が出る」と評価する。来週は父の母校駒大と対戦。「欲を出さず、次にまた出してもらえる機会があれば、また打てたらいいなと思います」。ベストナインに4度輝いた偉大な父に続くべく、野村の4年間が幕を開けた。【和田美保】