<東京6大学野球:慶大5-0法大>◇第5週最終日◇11日◇神宮

 慶大が開幕からの連勝を6に伸ばし、勝ち点3として首位早大に並んだ。先発の加藤拓也投手(2年=慶応)が自己最速タイの150キロをマークして法大を4安打完封。6者連続を含む毎回の15三振を奪った。慶大の開幕6連勝は01年秋の9連勝以来。これで優勝には勝ち点4以上が必要となり、早慶明の3校に絞られた。東大は今季初めて先制したが、投手陣が崩れ2-14で立大に大敗。33季連続の最下位が決定した。

 “慶大のライアン”こと加藤が三振の山を築いた。7回1死、自慢の直球で法大の5番伊藤諒介内野手(4年=神港学園)を空振りさせるなど、6者連続三振もマーク。「今日はまっすぐで押しました」と自己最速タイ、最終回を含む計4球の150キロを計測した。毎回の15奪三振中、スライダーで仕留めたのは2回の伊藤だけ。14三振の勝負球をストレートだけで決め、リーグ初完投を完封で飾った。

 胸元まで左足を高く上げるフォームは、メジャー奪三振王のライアン(元レンジャーズ)をほうふつさせる。「背が高くない(175センチ)ので、体を全部使って投げるようにしたら、自然と。自分は意識していませんが、チームメートには(ライアンを意識してる)と言われます」。慶応高1年まで捕手。肩の強さを買われ2年から本格的に投手に転向した。わずか4年足らずで、慶大の柱の一角を担うまでになった。

 キャンプでは1日200球を投げ込み、もともと好きなウエートトレーニングも週3回から5回に増やした。「後半になっても今日は球威が落ちなかったのが収穫です」とパワーアップを感じる。開幕6連勝で優勝の2文字も見え始めているが、加藤は「早慶戦に憧れて入りましたが、目の前の試合に集中します」と一戦必勝で臨む。【和田美保】