<全日本大学選手権:神奈川大3-1慶大>◇11日◇2回戦◇神宮

 神奈川大(神奈川)が、浜口遥大投手(2年=三養基)の1失点完投で、23年ぶりに慶大(東京6大学)を破る金星を挙げた。雨の中、1点を先取されたが、逆転勝利。

 最後の打者を空振り三振に仕留めると、浜口は大きく両手を広げて喜びを爆発させた。連日の先発。2日間で241球を投じ、東京6大学リーグの覇者・慶大を倒した。「(慶大は)対戦してみたい大学のひとつでした。神奈川の代表として簡単に負けるわけにはいかないと思っていました」と、汗をぬぐった。

 今春の関東学院大戦で150キロをたたき出し、2年生左腕はじわじわと注目を浴び始めた。入学後は3食+夜食の1日4食で10キロ増量。体重が80キロに到達すると、最速も一気に8キロ上がり150キロの大台に乗った。この日は2回に149キロ、9回にも140キロ台前半を4回たたき出し豊富なスタミナを見せつけた。「今日が今までで一番良かったです」と、大一番で実力を発揮。チェンジアップを有効に使い、強力・慶大打線から11三振を奪った。

 今春、0・87で最優秀防御率を獲得した慶大・加藤拓と投げ合って勝利したエースを、古川祐一監督(46)も手放しでほめた。「リーグ戦でも延長11回を180球完投したことがあってスタミナは大丈夫だと思っていましたが、上出来です。大したもんだ」と喜んだ。91年の再戦は投手を中心とした堅い守りで、今回も神奈川大が勝利。慶大は91年以来の初戦敗退を喫した。

 強敵を倒し、勢いは増すばかり。浜口は「次もいけと言われたらいきます」と3連投も辞さない構え。全国大会でベールを脱いだ150キロ左腕が、チームを頂点へ導く。【和田美保】