<東京6大学野球:明大8-3早大>◇第3週第1日◇27日◇神宮

 明大が先勝した。ドラフト1位候補左腕の山崎福也投手(4年=日大三)が、今季初先発初勝利でリーグトップとなる通算20勝目を挙げた。打たせて取る投球で6回を5安打3失点と粘投し、チームは早大に勝利した。

 まっさらなマウンドに上がった以上、明大・山崎は負けるわけにはいかなかった。2回。早大・茂木に直球を左翼席へ運ばれ先制されたが、冷静だった。「丁寧に低めに投げよう」と、その後は変化球を主体に打ち気をそらした。5安打されたが連打は1度も許さず、大量失点を防いだ。今季初先発で初勝利。早大・有原、法大・石田の両ドラフト候補に2勝差をつけ、通算20勝目を挙げた。

 調子が上がらず、開幕の東大戦で先発を外され抑えに回った。2回戦も与えられた役目はクローザーだった。チームの勝利が最優先とはいえ、エースとしての悔しさとふがいなさを感じた。「今日は相手にのまれずやれました。勝てたことは本当に素直にうれしいです」と、安堵(あんど)の表情で振り返った。

 自己最速には8キロも及ばず141キロ止まりだったが、復調の兆しは見せた。楽天早川スカウトマネジャーは「腕が振れるようになってきましたね」と、左腕を評価した。山崎は「これからは1試合投げきることを頭に置いてやっていきたい」と、引き締めた。【和田美保】