<東京6大学野球:立大3-1明大>◇第7週第1日◇25日◇神宮

 立大が30季ぶりの優勝へ王手をかけた。エース右腕の沢田圭佑投手(2年=大阪桐蔭)が11安打されながらも1失点で完投。リーグ最多の今季5勝目で明大に勝利し、99年秋以来、15年ぶりのVを目前とした。

 泰然自若とした様は、優勝へ王手のかかる一戦でも変わらなかった。7回の2死満塁のピンチを切り抜けた沢田が8回、また危機を迎えた。2死一、二塁。5番菅野に2-2から、堂々の直球勝負に出た。空振り三振に仕留めると、この日一番のガッツポーズを見せ、バックスクリーンに向かってほえた。

 3、9回以外は毎回得点圏に走者を背負ったが、1学年上の先輩捕手を信頼し、サインにうなずき続けた。「ランナーを出してもホームにかえさなければいいだけのこと。鈴木さんのサインを信じました」と、11安打を許しながらも、9回175球を投げ切った。大事な初戦で今季5勝目を挙げ、トップに立った。

 打線は4安打で3得点を奪う効率の良さを見せた。溝口智成監督(46)は「向こうはほぼ毎回安打。チーム全体でディフェンスができたし、力がついたということでしょう」と、振り返った。就任1年目の「ルーキー監督」が率い、15年ぶりの栄冠を手にしようとしている。「1つアドバンテージをもらって次の試合に挑めるのは大きい。いよいよです、本当に」。今日連勝し、優勝を決めるつもりだ。【和田美保】

 ◆優勝の行方

 立大が1勝すれば勝ち点4となり、優勝が決まる。3回戦に持ち込まれても9勝3敗で他校を勝率で上回る。明大は2、3回戦に連勝すれば勝ち点4、9勝4敗。立大が脱落し優勝の行方は早慶戦に持ち込まれる。早慶とも現在、勝ち点3の6勝3敗。2連勝したチームが勝ち点4、8勝3敗となり明大を上回る。1勝1敗になれば明大の優勝となる。