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野茂英雄のメッセージ

 野茂英雄(40)は、高校時代までは無名の球児だった。甲子園を夢見ながらも、どこか現実とは思えない、全国にいる多くの高校生に近かった。野茂にとっての高校野球はどんな3年間だったのだろう。人生にどんな影響を与えたのだろう。今回は、野茂の高校野球3年間にプレーバックしてみる。(敬称略)(聞き手・南沢哲也)

1年夏 大会直前 骨折

 高校野球の話を始めると、思い出しながら少し顔をしかめた。

「毎日つらかったということですかね。同じ学年のチームメートがいなかったら、もしかしたら途中で挫折していたかもしれませんね」。

朝跳び起きると、自転車で最寄りの駅まで走り、朝一番午前6時ごろの電車に飛び乗って学校に向かう。学校に着くと、朝練習が待っていた。投手だからと、とにかく走らされてばっかりいた。休日なんか、当然ない。野茂が入学した時、大阪府立成城工(現成城)は3年生が12、13人、2年生はわずか4人。野茂の同期の1年生は17人。各学年に監督が決めた投手が1人ずついた。野茂は先輩投手のランニングについていくことができなかった。

「毎日学校の周りを10周する。ほかの2人は走るのが速くて。2人とも学校のマラソン大会でも上位に入るくらい速くて、ついていけなかった。僕が体が大きいといっても1年生。練習ついていくのが必死でしたし、本当につらかった。午後はサッカー部やラグビー部とグラウンドが共用になるので、朝練でバッティング練習したり、ノック受けたりしていました。走っていたことと、ノック受けていたこと。後、球拾いしていたイメージしかない」。

それでも体が大きく、投げる球も速かった野茂はやはり目立った。投手が少なかったこともあり、夏の大会前には1年生ながら背番号をもらい、ベンチ入りすることが決まった。

だが、物事はそう簡単には進まない。ノックを受けている最中にボールを左足で踏んでしまう。痛みが走った。ひどいねんざだった。

「でも、そんなこと当時は監督に言えないじゃないですか、ずっと黙って練習していました。でも(関節が)緩くなっていたのか、今度はブルペンで投げているときに、土が掘り返されてでこぼこになっていたところでもう1度左足をねんざした。そうしたらスパイクが履けないくらいに腫れてきて。先輩が見つけて、監督に伝わって『病院に行ってこい』ってなって、行ったら骨折でした。そのままギプスはめて…ベンチ入りもなくなりました。悔しいというか…練習は厳しかったですけれど、背番号をもらったことはうれしかったですし、試合にはやっぱり出たかった」。

野茂の1年生の夏は、けがで終わった。

NOMO×NIKKAN

 野茂英雄(のも・ひでお)1968年(昭43)8月31日、大阪市生まれ。成城工-新日鉄堺。88年ソウル五輪に出場し銀メダル。89年、8球団の競合の末、ドラフト1位で仰木監督の近鉄に入団。体を大きくひねる独特の「トルネード投法」と、鋭いフォークボールによる奪三振などでいきなり18勝を挙げ、スター選手に。90-93年まで史上唯一の4年連続最多勝をマーク。

 95年にドジャースに入団し、13勝6敗でナ・リーグ新人王。球宴にも出場し先発を務めた。ド軍2年目の96年(対ロッキーズ)、レッドソックス時代の01年(対オリオールズ)にノーヒットノーランを達成(両リーグでの達成は史上4人目)。

 06、07年はメジャーでのプレーはなかったが、08年にロイヤルズで復帰。しかし白星を挙げることなく4月末に自由契約。同年7月、現役引退を発表した。

 日米通算201勝155敗1セーブ、3122奪三振。現役時代のサイズは188センチ、104キロ、右投げ右打ち。03年にNPO法人「NOMOベースボールクラブ」を設立。家族は夫人と2男。

野茂氏のオフィシャルサイトがオープン。

NOMOベースボールクラブ



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