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前代未聞、西武飛行機故障で試合中止

 福岡ヤフードームで27日に予定されたソフトバンク-西武11回戦(午後6時開始予定)が、航空機の故障で西武の東京→福岡移動が大幅に遅れ、中止となった。代替機による福岡到着が3時間以上遅れ、主催球団のソフトバンクがリーグ規定に沿って中止を決断した。航空機関連の中止は3年ぶり4度目だが、過去は台風による遅延や欠航で機体の不具合は初めて。ハプニングに頭を抱えたのはソフトバンクも同じ。夏休み期間の週末ナイター、しかも西武涌井VSソフトバンク杉内両先発の激突で億単位の営業収入が確実だったが幻となった。

 満員の観衆の中で杉内が第1球を投じていたはずの午後6時。実際に球場で見られたのは、西武先発陣がぽつぽつと練習を始める光景だった。スタンドにはだれもいない静かなドームで、涌井のキャッチボール音が響き渡る。期待された好勝負に、予期せぬアクシデントが割って入った。

 西武を乗せた全日空251便は、定刻の午前11時35分を過ぎても一向に空を飛ばなかった。やがて「機体に不具合があるので離陸できません」という機長のアナウンスが響き渡る。主翼に付属して揚力を調整する「フラップ」と呼ばれる装置の異常が原因だった。乗客全員に降機が命じられ、飛行機の変更が決定。代替機の出発準備が完了するまでの2時間半、西武の一行60人を含む乗客は羽田空港の出発ロビーでひたすら待つしかなかった。

 搭乗口を目の前にしながら、ゲートは時間がたっても一向に開かない。携帯音楽プレーヤーに没頭する選手も多く、狭い喫煙所は一般客でいっぱいだった。全日空からのおわびとして搭乗券の半券で1000円分が売店で利用可能となり、選手もそれを食事などに利用した。同機には、28日に佐賀で開幕する高校総体の関係者たちも多数乗り込んで満席状態。夏休みの週末で前後の便もびっしり満席だったため、便の変更もできなかった。

 同便は遅れること3時間25分、午後4時45分にようやく福岡に到着した。伊東監督は「こんなことは初めてだしまったく考えてもいなかった」とぐったりした表情で話すと、テレビカメラを振り切ってバスへ乗り込んだ。

 前夜は所沢で4時間近いナイター。眠い目をこすり午前中に羽田空港に集合。機内に乗り込んでから、福岡の宿舎到着までは6時間におよぶドタバタ劇。チームは先発陣を除いて練習も行わなかった。

 西武選手のうち、先発の涌井、帆足の2人だけは26日に福岡入りしており難を逃れていた。だが待てど暮らせどチームは来ない。待たされた涌井は、宿舎の部屋で高校野球の福岡大会を眺めながらチームからの連絡を待つしかなかった。午後3時過ぎに中止の報を受けると「最悪ですよ」と一言。先発予定が29日にずれ込み、朝が早いデーゲームに顔をしかめた。

 裏金問題、交流戦での10連敗に続いてまたもや起こった異常事態。今季の西武はとにかく一筋縄ではいかないようだ。【大塚仁】

[2007年7月28日9時34分 紙面から]

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